歯医者の経営におけるマーケティング戦略とは
[2016年10月01日]
歯科医院の数は今やコンビニ件数の1.3倍に匹敵する約68,000件と言われ、良くその診療所の数に対して、受容と供給のバランスが合っていないのではないかという議論があります。また、1日に日本全国のどこかで約5.2件の歯科医院が開業し、同じ日に約4.7件の歯科医院が閉院しています。この現状が良いのか否かという議論をする前に、この現状が国民の口腔の健康に寄与しているのか否かを評価するべきであって、例え歯科医院の数がコンビニ件数の1.3倍だろうが、国民の口腔の健康が維持できていれば、また違った観点の議論になるハズです。
話をマーケティング戦略の話に戻します。歯医者件数の多さやこれだけの開院と閉院を繰り返している業界ですから、歯科医院経営におけるマーケティング戦略はとても重要です。マーケティング戦略と言っても、ただ単にホームページを充実させ、SEO対策やWEB予約システムを導入すれば良いとは限りません。これだけ飽和した状態にある業界の中で、自院の競争優位性を図るのはとても難易度が高くなってきています。
では、このような状況下の中でマーケティング戦略はどのように考えれば良いのでしょうか。歯科医師でありながら哲学者でもあったDr.Pankeyのパンキーフィロソフィでは次のように言っています。【歯科医師という職業は単なる技術者ではなく、心理学者であり、教育者であり、モチベーターである。(中略)我々は来院されるすべての患者を、歯科医療のための伝道者として育てることが重要である。歯科医療のための伝道者をつくるということは、ビジネス用語で言うとマーケティングと言える。 (中略)最高の歯科医療を受けた患者こそがあなたの生きた最善の広告であり、そして伝道者こそがあなたが所有できるマーケティングのための最高のリソースである】このマーケティング戦略の考え方は、現代の日本における歯科医療業界において、まさに理にかなっている考え方のひとつかと思います。
また、個人的には上記の要素に加え、自院の「メッセージ」と「コンセプト」を明確にすることかと思います。自院アピールを目的とした媒体への掲載のすべては手段にしか過ぎません。「我々は〇〇をもってあなたの願望を叶えます!」「我々は他院と違う〇〇というコンセプトのもとあなたの問題を解決します!」といった様に、他院と違う明確なメッセージとコンセプトを持ち、そのメッセージとコンセプトを体現できるスタッフこそが、何よりも強い一番の競争優位性になるものかと思います。これらの観点をもとに、是非自院のマーケティング戦略について再考されてみては如何でしょうか。