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歯科医院の人事評価の在り方とは

[2016年11月01日]

一般企業では人事評価という制度がある程度整っておりますが、その制度は企業ごとによって様々です。例えば、達成度だけではなくその過程(プロセス)も評価している企業もあれば、仕事の成果に加えて組織への貢献度を評価している企業もあります。また結果をより重要視し、やればやった分だけ評価する企業もあれば、会社の目指す方向と合致した貢献を高く評価している企業もあります。

そして、最終的にはその評価を金銭報酬として従業員へ還元し、従業員のモチベーション向上へ繋げています。また近年では、金銭報酬に加えて「意味報酬」という考え方も浸透してきています。意味報酬とは、組織に貢献した成果に対して、周りの従業員が感謝の言葉として述べてくれたり(貢献欲求)、個人や組織の成果に対して企業から表彰してくれたり(承認欲求)するものです。その他にも、親和欲求や成長欲求など様々な欲求因子がありますが、ただ単なる金銭報酬だけでは個人の企業に対する満足度は満たされなくなっている状況にあります。

話を歯医者へ移します。そもそも、皆さんの診療所には評価制度は存在していますでしょうか。きっと日本にある約68,000件の歯医者さんのうち、その大半は評価制度が存在していないのではないでしょうか。「歯科医師の給与は売上に対する〇〇%」、「矯正専門医への報酬は材料費込みの場合売上に対する〇〇%」といった様に、歯科医師の給与は完全なる歩合給が多く存在し、歯科衛生士の給与や賞与の場合は、何をどう頑張っても「毎年〇円の昇給」といったケースが多く存在します。

上記の制度が良いか否かという議論の前に、先ずは人事評価をしっかりと設けること。そして、その評価をしっかりひとりひとりフィードバックしてあげること。このふたつがとても重要になります。人事評価には「①成果に対するもの」、「②行動に対するもの」、「③どちらにも属さないもの」があります。これらの項目をバランス良く取り入れ、自院にとってベストな人事評価を設けるのが良いでしょう。また、ひとりひとりの面談を通じて、仕事に対する評価をしてあげることがとても重要です。何が良くて何が悪いのか、明確にフィードバックしてあげると共に、診療所の理念や方針がきちんと浸透されているのかを確認する機会でもあります。

たかが「面談」ですが、されど「面談」です。日々の診療に忙殺されスタッフと向き合う時間がないという方が多く存在していますが、是非この機会に、スタッフひとりひとりと面と向き合い、腹を割って話してみるのは如何でしょうか。