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良い歯医者と悪い歯医者

[2017年03月01日]

この業界で働かせて頂いていると、時に友人や知人から「良い歯医者と悪い歯医者の見分け方を教えて?」、もしくは「良い歯医者さんを紹介して?」と言われます。その度に、「良い歯医者さん」の定義を考えさせられます。皆さんはどのような歯医者さんが「良い歯医者さん」、どのような歯医者さんが「悪い歯医者さん」だと思いますか?場所が良い、ドクターの腕が良い、診療所が綺麗、きちんと滅菌がされている、全室が完全個室になっている、などなど…。もちろん、ご自身の医院に対しては、胸を張って「私の歯医者さんは良い歯医者さんです!」と言える状態かと思います。

私の見解としては、世の中に「良い歯医者さん」と「悪い歯医者さん」が存在しているわけではないと思っています。「良い」とか「悪い」という言葉は、「誰にとって」という枕詞があって初めて成立する概念です。ある人にとっては「良い歯医者さん」であったとしても、ある人にとっては「悪い歯医者さん」かもしれません。つまり、患者さん自身が自分なりの歯医者を選ぶ「物差し」を持たなければ、世の中にある約68,000件以上ある歯医者さんを見分けることができないのです。

では、日本国民から選ばれ続ける「良い歯医者」になるためには、どのような要素が必要でしょうか。そのために、先ずは「どんな患者さんから良い歯医者さんと選ばれたいのか」ということを考える必要があるかと思います。例えば簡単な話、忙しいビジネスマンからしてみると、夜22時までやっている歯医者さんは良い歯医者さんになるでしょう。一生涯自分の歯で生活がしたいという願望を持った患者さんからしてみると、きちんと歯の守り方を教えてくれて、予防の概念が浸透しており、その上で質の高い治療を提供してくれる歯医者さんが良い歯医者さんでしょう。

しかしながら、少し矛盾した話にはなりますが、歯科医療は非常に公益性の高い領域です。国民皆保険制度があり、誰でも安価でどこの歯医者さんでも通える権利があります。そのため、患者さんを差別することは決してあってはなりません。しかし、「差別」はなくとも「区別」は存在します。「私たちの医院は〇〇のような方々に対して良い歯医者さんです!なぜならば、〇〇の歯科医療を提供しているからです!」といったように、明確なコンセプトを打ち出し、診療所が求めている患者さんから選ばれ続ける診療所を目指してみては如何でしょうか。