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専門医との連携について

[2017年07月01日]

こんにちは。歯科医院経営コンサルティング、dot2dot(ドットトゥードット)の宮越です。今回は専門医との連携についてお話ししたいと思います。

皆さんのクリニックでは専門医との連携は行っていますでしょうか。専門医との連携を図られているクリニックの中で、最も連携が多い領域としては口腔外科や矯正歯科ではないでしょうか。その他にも小児歯科や歯周病(インプラント)、歯内療法などがあげられます。アメリカ歯科医師会(ADA)認定の専門医療の科目としては、上記の領域に加えて歯科補綴科、口腔公衆衛生科、口腔病理科、口腔放射線があります。

歯科先進国であるアメリカにおいては、一般歯科(GP)と専門医との連携が多く図られています。その背景には保険会社による制限や訴訟問題など、外的要因における問題が多くを占めると言われていますが、アメリカという国民性が根底には大きく影響していると言えます。アメリカで最も人気のあるスポーツであるアメリカンフットボールを見ても一目瞭然です。ボールを投げるスペシャリスト、相手を抑えるスペシャリスト、ボールを取るスペシャリストなど、明確な縦割り分業制のスポーツです。

しかし、驚くことにそんなアメリカや予防歯科先進国であるスウェーデンにおいても、GPと専門医との間に明確なボーダーラインはないと言います。症例の難易度によりだいたいのボーダーラインはありながらも、「ここまでは一般歯科(GP)の領域、ここからは専門医の領域」といった様な見解はないそうです。

これはあくまでも私の個人的な見解ですが、餅は餅屋と言われるように、患者利益を考えるのであれば、専門領域は専門医と連携を図るのがベストだと考えます。しかしながら、専門領域でありながらも自身の技術と知識を要して解決できる症例においては、メンターによる指導のもとどんどんチャレンジするべきだと考えます。そこで一番重要なポイントは「自己認知」です。ひとつひとつの症例に対して自身の技術力、知識力は満たしているのか否かを自問自答することです。そういった自利と利他の融合を実現する考え方がとても大切だと考えます。

現代の日本の歯科医療マーケットにおいて、何が何でも専門医と連携を図った方が良いとは思いませんし限界があります。しかしながら、専門医と協業していくことは歯科医療においてとても価値のあることだと思います。一般歯科(GP)は一般歯科(GP)のプロフェッショナルとして、専門医はその分野のプロフェッショナルとして、互いの技術や知識を結集させ患者の問題解決と願望の実現へと導くこと。そんな価値観が広まっていくことを願っています。