歯医者経営における資産形成の方法とは
[2017年02月01日]
歯医者の経営において、短期的な収益はもちろん大切ですが、長期的なライフワークの視点を持ったうえでの資産形成の観点も非常に重要です。個人事業主であれば、収益を上げれば上げる程所得税の税率が上がり、税率を下げるためには経費を多く捻出しなくてはならなくなります。しかし、経費を多く捻出した結果、税率は下がったものの結局のところ資産が残らないという循環に陥ってしまうことがあります。
私の場合結論から言いますと、開業時からサポートさせて頂く歯科医院に対しては、なるべく早いタイミングでの医療法人化を勧めています。また、開業時からではなくとも、個人事業主でやられている歯科医院に対しても、最終的には医療法人化を勧めています。要は個人事業主で診療所を経営するよりも、医療法人として診療所を経営した方が、「資産形成」という観点から見るとメリットの方が大きいと考えるからです。
では、資産形成の観点で医療法人化にするとどのようなメリットがあるのでしょうか。様々な資産形成(節税)方法がありますが、ひとつは生命保険を活用した資産形成の方法があります。生命保険を活用しながらの退職金の積み立てや、損金対象となる資産形成の方法があります。その他にも、個人所得の税金の軽減ができることや、家族内での所得分散をすることによって節税対策を組むこともできます。
また、医療法人ではなく個人事業主であった場合においても、退職金の積み立てとなる「小規模企業共済制度」を活用されてみるのも良いかと思います。あとは、資産形成という観点とは少し違いますが、ふるさと納税なども試されてみては如何でしょうか。
ただ、これまでお話ししてきた内容はあくまでも「資産形成」に関する観点のお話しですので、医療法人化にするメリットとデメリットはその他にも多く存在します。医療法人化にするか否かについては、すべての要素を踏まえてから検討された方が良いかと思います。そういった意味では、先ずは自院の経営をサポートされている、パートナーの税理士や生命保険の担当者に相談されてみるのが先決かと思います。是非、歯医者の経営と併せて「資産形成」の観点も取り入れられてみては如何でしょうか。